耳の奥がかゆくなると、多くの人が反射的に手に取ってしまうのが綿棒や竹製の耳かきです。しかし、耳鼻咽喉科医が口を揃えて「絶対にやってはいけない」と警告を発する行為の筆頭が、この物理的な掻破(そうは)行動に他なりません。
そもそもアレルギーによる炎症の震源地は鼓膜のさらに奥にある「耳管」や「中耳」です。綿棒や耳かきが届くのは鼓膜の手前にある「外耳道」までであり、どれほど深く差し込んでも、かゆみの根本的な発生源には物理的に一切届きません。届かないもどかしさから、無意識のうちに力を込めて外耳道の皮膚を激しく擦り付けてしまうことになります。
外耳道の皮膚は厚さがわずか0.1ミリメートル程度と極めて薄く、骨のすぐ上に直接張り付いているようなデリケートな組織です。ここを強く引っ掻くことで皮膚バリアは瞬時に破壊され、擦り傷から浸出液が漏れ出します。これが外耳道炎 花粉症 悪化リスクの典型的なシナリオです。
傷口から黄色ブドウ球菌や真菌(カビ)が侵入して二次感染を起こすと、かゆみだけでなく花粉症 耳の中 痛い 併発の真相へと直結します。最初は単なる花粉症のアレルギー症状だったものが、自己流の耳かきによって激痛を伴う細菌性外耳道炎へと悪化し、耳だれ(耳漏)が止まらなくなったり、腫れによって外耳道が塞がり一時的な難聴に陥る患者が春先のクリニックには溢れかえっています。