スーパーの定番肉から一歩踏み出すと、品種や飼育環境にこだわり抜いた銘柄豚の贅沢な世界が広がっている。その代表格であるかごしま黒豚は、サツマイモを飼料に加えることで生まれる、融点の高い純白の脂身と締まった肉質が最大の特徴だ。口に含んだ瞬間に広がる上品な甘みは、しゃぶしゃぶで味わうと明確な違いとなって現れる。
一方、都市型ブランド豚の最高峰として知られるTOKYO Xは、北京黒豚・バークシャー・デュロックの3品種を掛け合わせ、霜降りのきめ細やかさと絹のような舌触りを追求した逸品だ。肉そのものに力強い風味があり、シンプルな塩焼きだけで高級レストランのメインディッシュに匹敵する満足感をもたらす。
さらに海を越えたスペインの至宝イベリコ豚は、樫の森でドングリを食べて育つ「ベジョータ」規格に代表されるように、ナッツのような芳醇なアロマとオレイン酸を豊富に含んだとろける脂が特徴だ。それぞれのルーツと育った環境が、肉の繊維一本一本に唯一無二の個性を宿らせている。