『笑点』の歴史において、座布団運びは単なるアシスタントにとどまらず、舞台の空気を一変させる重要な役割を担ってきました。初代の三升家勝松から始まり、毒蝮三太夫(当時は石井伊吉)、三笑亭夢之助、桂米助、松崎真と受け継がれてきたバトンを、山田隆夫が引き継いだのは1984年10月のことです。松崎真の「手を挙げて横断歩道を渡りましょう」からバトンを受け、就任から40年以上という圧倒的な番組歴代最長記録を打ち立てています。
気になるのは「座布団運びという職種でどれほどの収入が得られるのか」という点です。テレビ業界関係者の証言や芸能プロ関係資料によると、大喜利における座布団運びのギャラは1本あたり約30万〜50万円が相場と推計されています。『笑点』は通常、隔週で2本録りが行われるため、月4本換算で月収120万〜200万円、年間に換算すると番組出演料のみで推定1,500万円前後に達する計算になります。
大喜利回答者である師匠たちと同等クラスのギャラを得ているわけではありませんが、単なる番組アシスタントの枠を遥かに超えた高待遇であることは間違いありません。しかし、後述する彼の副業規模を知れば、この金額ですら「活動の主目的ではない」という驚くべき現実に突き当たります。