メリットが多い一方で、保護者が最も懸念するのは「トラブルやケガのリスク」「年長児のストレス」というデメリット面です。
体格や体力が異なる子どもたちが同じ空間で過ごすため、年少児が走ってきた年長児とぶつかって転倒したり、おもちゃの取り合いで力負けしてしまったりする場面は日常的に起こり得ます。また、「年長の子が年下のお世話ばかりを任されて、自分のやりたい高度な遊びに集中できないのではないか」という心配も少なくありません。
こうした課題を防ぐために不可欠なのが、保育士による緻密な環境構成と見守りのスキルです。優れた縦割り保育を実践する園では、以下のような工夫が徹底されています。
・空間のゾーニング:細かいブロックやパズルなど年長児が集中したい遊びのエリアには年少児が自由に入らないよう仕切りを設ける。
・無理なお世話を強要しない:年長児に過度な責任を負わせず、「やりたいときに手伝う」という自主性を尊重する。
・トラブル時の丁寧な仲介:言葉で伝えられない年少児の気持ちと、悪気なく行動した年長児の意図を双方向から言語化してフォローする。
現場の指導体制が整っていれば、日常的な小さな衝突は「どうすれば相手と仲良く遊べるか」を学ぶ貴重な社会勉強の場へと変わります。