SNSや動画サイトでは「プチプラで和室を洋室に激変させるDIY」が持て囃されていますが、現場の職人や建築士が指摘する構造的なデメリットは都合よく伏せられがちです。
誤解1:「防カビスプレーをかけておけば敷きっぱなしでも大丈夫」
ネット上で頻繁に見られる「市販の防カビスプレーを畳に吹きかけて乾燥させ、その上からジョイントマットを敷けば安心」という言説は極めて危険です。防カビ成分の効力は一時的なものに過ぎず、密閉によって生じる日常的な結露や人の体温・皮脂が供給され続ければ、数ヶ月で防カビ成分の限界を超えてカビが発生します。薬剤に頼るのではなく、物理的な空気の通り道を確保することが唯一の抜本的予防策です。
誤解2:「賃貸退去時はジョイントマットを敷いていた方が綺麗に残る」
「畳を新品同様にキープして敷金を全額回収したい」と考え、入居直後に部屋全体へジョイントマットを敷き詰める入居者がいます。しかし、退去立ち会いの現場でマットを剥がした瞬間、畳全体が湿気で波打ち、い草が粉状に劣化している光景が後を絶ちません。表面の擦れ跡を防げたとしても、内部の腐食によって畳床ごと弁償させられ、結果として数倍の出費になる本末転倒な事態が多発しています。
和室フローリング化デメリットの真相
畳を覆い隠してフローリング化することには、建具との干渉という物理的盲点もあります。畳と敷居(引き戸のレール)は通常フラットに設計されているため、厚みのあるウッドカーペットやジョイントマットを敷くと数ミリ〜1センチ程度の段差が生じます。この段差が襖やドアの開閉を妨げたり、つまづき転倒の要因になったりする点も見落としてはならないデメリットです。