基本台詞が「ウス」で固定されている樺地ですが、原作およびアニメ版において、極めて感情が昂った局面で「ウス以外のセリフ」を発した瞬間が存在します。これらはテニプリファンの間でも伝説的な名シーンとして語り継がれています。
1. 「勝つのは…氷帝です!」(全国大会・青学戦)
手塚と跡部による壮絶なシングルス1の死闘。タイブレークの極限状態で両者が限界を超えて戦う中、普段は跡部の掛け声に「ウス」と返すだけだった樺地が、自らの意思で氷帝コールを先導するように叫んだシーンです。この一言には、氷帝学園の誇りと、戦い続ける部長・跡部への祈りにも似た感情が込められており、スタジアム全体を圧倒しました。
2. 跡部への気遣いと日常の短いフレーズ
アニメ版や劇場版、キャラクターソング関連のドラマパートなどでは、跡部に傘を差し出す場面で「…どうぞ」と呟いたり、突発的なアクシデントに対して「あ…」「あ、跡部さん」と小さく声を漏らすシーンが描かれています。無機質なロボットではなく、心優しい一人の少年としての素顔が垣間見える貴重な瞬間です。
アニメ版で樺地崇弘を演じる声優・鶴岡聡氏の重厚かつ温かみのある演技は、「ウス」という二文字の中に微細な感情の揺らぎを巧みに表現しており、台詞の少なさを逆手に取った圧倒的な存在感を放っています。