沖田総司はなぜイケメンとして描かれるのか?史実の顔と虚像の真相

沖田総司はなぜイケメンとして描かれるのか?史実の顔と虚像の真相

沖田総司はなぜイケメンとして描かれるのか?史実の顔と虚像の真相についての真相をお届けします。

ネット上やSNSでは時折、「これが本物の沖田総司の写真だ」として古写真が出回ることがあります。しかし、歴史学界の結論として、沖田総司の実際の顔を写した写真は現存していません。流布している写真は、日向藩士や鳥取藩士など別人の写真が誤認されたもの、あるいは意図的な捏造であることが既に判明しています。

では、生前の沖田を間近で見ていた人々は、彼の容姿をどのように記憶していたのでしょうか。新選組の屯所が置かれていた壬生郷士の八木家の次男であり、少年時代に隊士たちと日常的に接していた八木為三郎の人物像に関する証言(子母澤寛の『新選組遺聞』所収)は、極めて具体的かつ信憑性の高い一次資料として知られています。

為三郎の手記によると、沖田の風貌は次のように描写されています。

「沖田は背が高く、色黒で肩が張った体つきをしており、愛嬌のあるヒラメ顔をしていた」

沖田総司ヒラメ顔証言として有名なこの一節は、いわゆる現代でいう「魚顔」、すなわち目と目が少し離れ、口が横に大きく広がった愛嬌のある顔立ちを指していたと考えられます。決して侮蔑的なニュアンスではなく、「いつもニコニコと冗談を言って近所の子供たちと遊んでいた」という親しみやすい人柄とセットで語られている点が特徴的です。

また、新選組を支援した佐藤彦五郎の親族による口伝でも、「大柄で色黒の男」という印象が残されており、決して「色白で華奢な美少年」ではなかったことが窺えます。新選組一番隊組長としての逸話に登場する凄まじい剣の迫力とは裏腹に、普段は飄々として人懐っこい笑顔を浮かべる青年剣士――これが史実の沖田総司に最も近い実像です。

山崎 陸
著者

山崎 陸

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