ネット上の情報では「磁石につかなければ本物」と単純化されがちですが、貴金属鑑定の現場ではこれによる誤認トラブルが後を絶ちません。金に対する磁石反応を検証する際には、以下の2つの盲点を必ず理解しておく必要があります。
第一の盲点は、「メッキの母材に非磁性金属が使われている場合」です。銅、真鍮、アルミニウム、鉛、スズなどは磁石に反応しません。そのため、真鍮に金メッキ(GP)を施した製品に磁石を近づけても吸い付かず、「磁石がつかないから本物の金だ」と誤認してしまうケースが非常に多いのです。
第二の盲点は、本物のネックレスやブレスレットの「留め具内部のスプリング」です。K18の刻印がある正真正銘の高級ジュエリーであっても、引き輪の内部には弾性を保つためにステンレス製のバネが組み込まれています。そのため、留め具周辺に磁石を近づけると微弱に反応します。留め具内部のパーツ反応なのか、チェーン全体が吸い寄せられているのかを切り分けて見極める観察眼が求められます。