助さんからご老公へ転身!里見浩太朗版水戸黄門の舞台裏と真実

助さんからご老公へ転身!里見浩太朗版水戸黄門の舞台裏と真実

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五代目ご老公としての道のりは、決して平坦なものばかりではなかった。東野英治郎をはじめとする偉大な先人たちの影が常に比較の対象となる中、里見は「自分にしかできない光圀」を模索し続けた。時には脚本の台詞回しについて制作陣と熱い議論を交わし、民の痛みに寄り添う言葉遣いへと修正を求めた夜もあったという。

京都の酷暑や厳冬の中での過酷なロケーション撮影は、年齢を重ねる名優の体力を確実に削っていった。それでも現場で弱音を吐くことは一切なく、常に共演者や若手スタッフを笑顔で鼓舞し続けた。TBSテレビの看板を背負い、全盛期を走り抜けた里見がシリーズ完結に向けて下した決断――それは、時代劇という文化を最高の形で後世に手渡すための、美学に満ちた引き際だった。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。