この出来事は、単なるひとつのアクシデントにとどまらず、その後のVTuberの放送事故の歴史およびバーチャル文化の潮流を根底から変えるメルクマールとなりました。
当時、男性が美少女アバターを纏って表現活動を行う行為は、まだアンダーグラウンドな実験の域を出ていませんでした。しかし、のらきゃっとのトラブルを通じて「魂が男性であっても、生み出される美少女表現そのものに尊さとエンターテインメント性がある」という価値観が広くネット社会に認知されることになります。
これによって、のちの「バーチャル美少女受肉(バ美肉)」と呼ばれる一大カルチャーが完全に市民権を獲得しました。自らアバターを作り、ボイスチェンジャーや音声認識を駆使して自己表現を行う個人クリエイターたちが一気に表舞台へと進出するきっかけを作ったのです。