日露戦争において、大国ロシアの脅威から日本を守り抜いた「秋山兄弟」の存在は伝説的だ。兄の秋山好古は「日本騎兵の父」と称され、世界最強と恐れられたコサック騎兵旅団を独自の陣形と戦術で撃破した。一方、弟の秋山真之は大日本帝国海軍の参謀としてバルチック艦隊を完封する緻密な作戦を立案し、軍事の天才としてその名を歴史に刻んだ。
秋山好古は戦役後、陸軍大将という最高の栄誉に奢ることなく、故郷・松山の中学校長に着任した。無駄を徹底的に削ぎ落とした質素な暮らしを貫き、生徒たちの教育に全情熱を注いだ兄。そして、緻密な戦略眼を持ちながらも戦後は宗教や哲学に没頭し、戦争の虚しさと深く向き合った弟の秋山真之。二人の対照的な歩みは、勝敗を超えた人間性の深みを今に伝えている。