館内の核をなすのが、国の天然記念物に指定されている野島断層保存館だ。巨大地震によって生じた右横ずれ約1.3メートル、上下の落差約50センチメートルという地表のズレが、長さ約140メートルにわたって屋内にそのままの状態で保存されている。地球の皮膜がちぎれ飛んだかのような景観は、阪神・淡路大震災のエネルギーがいかに強大であったかを物語る。
ガラス越しに整備された見学ルートを進むと、かつて平坦だった生け垣やアジサイの垣根が不自然に屈曲し、段差となって変形している様子が見える。単なる地質学的な標本にとどまらず、そこに存在していた人々の平穏な日常が一瞬で切り裂かれたという恐怖が、強烈なリアリティをもって迫ってくる。