放送から約50年という年月が経過した2026年現在、出演した俳優陣の多くが人生の大きな節目を迎え、また鬼籍に入られています。彼らが残した輝かしい足跡と、現在の状況を追悼と敬意を込めて振り返ります。
主演を務めた水前寺清子は、1945年生まれ。演歌界のレジェンドとして「三百六十五歩のマーチ」をはじめ数々のヒット曲を世に送り出す一方、女優としても唯一無二の存在感を放ちました。2026年代以降も精力的にコンサートやテレビ出演を継続し、傘寿を迎える現在も「生涯現役」として背筋の伸びた歌声を響かせています。当時の手記でも「尾留子という役は、自分自身の生き方そのものを投影していた」と回想しており、彼女の人生にとっても特別な作品です。
母・君代を熱演した山岡久乃は、1999年に72歳で惜しまれつつこの世を去りました。文学座出身の卓越した演技力に裏打ちされた「厳しくも温かい日本の母」のイメージは、本作でも遺憾なく発揮されました。劇中で見せる尾留子への叱咤激励は、台本を超えた本物の母娘のようなリアリティを醸し出していました。
良介役の荻島真一は、2004年に58歳の若さで胆管がんのため逝去しました。劇団雲を経てテレビ界に進出し、端正なマスクと誠実な語り口で1970年代のテレビドラマに欠かせない存在でした。『明日がござる』での爽やかな好青年ぶりは、当時の女性視聴者の心を強く掴み、早すぎる死は今なお多くのオールドファンに惜しまれています。
世渡家の父を演じた船越英二は2007年に84歳で逝去、妹分的な存在感を放った坂口良子も2013年に57歳で旅立ちました。一方で、下町の住人を演じた伊東四朗や研ナオコは現在も第一線で活躍を続けており、昭和のホームドラマが育んだ表現の豊かさを今に伝えています。