外から見れば優雅に構えているように映る校長室の実情は、まさに有事対応の連続だ。朝の登校指導から始まり、学校内外の安全点検、教育課程の進行管理、教育委員会への報告業務、さらには近隣住民からの要望対応まで、その守備範囲には際限がない。
特に近年は、不登校児童生徒の増加やいじめの早期発見・対応、教職員のメンタルヘルス対策など、組織統括の難易度が桁違いに上がっている。万が一、校内で重大事態や事故が発生すれば、警察や児童相談所、マスコミへの対応を含めた全責任を一身に背負うことになる。権限が分散する一方で、最終的な法的・道義的責任は常に校長へと集中する。平均年収が1,000万円前後に達するとはいえ、その対価として差し出す精神的重圧は計り知れない。