共同体による排他性と異物排除のテーマは、日本の表現文化においても長年重厚なモチーフとして描かれてきた。
終戦直後の激動期に制作された映画『村八分』(1953年)は、選挙違反を告発した女子学生の一家が地域ぐるみで猛烈な排斥に晒される実話をもとに制作され、封建的な集団圧力の恐ろしさを社会に突きつけた歴史的名作である。
音楽の領域においてもその反骨精神は脈々と受け継がれている。1970年代の伝説的な邦楽ロックシーンにおいて、強烈な存在感を放ったバンド「村八分」はその最たる例だ。ギタリストの山口冨士夫とヴォーカリストの柴田和志らは、社会のタブー視する言葉をあえてバンド名に掲げ、歪んだ同調圧力を叩き割るかのような剥き出しのロックンロールを叩きつけた。彼らの音楽は、抑圧的な世間の目に対する強烈なアンチテーゼとして今なお語り継がれている。
このテーマは映像配信の黄金期を迎えた現在も世界的な関心を集めている。Disney+で世界配信され世界的ヒットを記録したドラマ『ガンニバル』は、山間の孤立した村に根付く不気味な慣習と異物排除の心理を極限の緊張感で描き出した。またNetflixなどで配信される社会派ドキュメンタリー番組群でも、カルト的集団や閉鎖的コミュニティにおける人間関係の孤立化プロセスが頻繁に取り上げられ、視聴者に強い戦慄を与えている。