細川たかしの髪型が現代のカルチャーとして決定的に定着した背景には、お笑い芸人・レイザーラモンRGによるレイザーラモンRGモノマネの存在が欠かせません。頭頂部を大きく剥いた特殊メイクに過度な生え際を描き、細川のヒット曲に乗せて「あるある」を歌い上げる芸は、当初「大御所を怒らせるのではないか」と業界内で危惧されていました。
しかし、細川が取った行動は世間の予想を遥かに裏切るものでした。バラエティ番組での初対面時、細川はRGを叱責するどころか笑顔で迎え入れ、そのクオリティを絶賛。あまつさえRGを正式に愛弟子として認め、「こぶしたかし」という芸名まで授与したのです。
パロディを権力で抑圧するのではなく、懐深く包み込んで自らのエンターテインメントの一部にしてしまうこの度量。これにより、視聴者は「細川たかしの髪型を笑うこと」に対するタブー感から解放され、演歌界のレジェンドをより身近な存在として愛好する空気が醸成されました。パロディの受容によるセルフリブランディングとして、芸能史に残る鮮やかな逆転劇と言えます。