ネットの海には、あまりの完成度の高さや面白さから「本物」と誤認され、社会を大きく揺るがした有名コラ画像が数多く存在します。その代表例と、知られざる元ネタの真相を振り返ってみましょう。
たとえば、テレビのニュース番組のテロップを改変したコラ画像は、今なお定期的に再燃する典型的なパターンです。台風接近時に「外の様子を見に行ってきます」とアナウンサーがコメントしているような画像や、著名な政治家が失言をしたかのように仕立てられたキャプチャ画像は、元となった本物の報道番組のフォントやレイアウトを忠実に模倣して作られています。制作した本人は「見ればわかる冗談」のつもりでも、SNSの即時性と文脈を無視した拡散力によって、一次情報を確認しない層へ「衝撃のニュース」として瞬く間に広がってしまうのです。
また、ネットスラングの金字塔となった「チャリで来た。」のプリクラ写真も、数々の派生コラ画像を生み出しました。少年たちが自転車でポーズを決めた素朴な記念写真が、宇宙空間に飛ばされたり、ハリウッド映画のポスターに組み込まれたりと、無数のコラ画像に改変されました。当事者たちが成人後にメディアの取材に応じ、「当時はからかわれて本当に辛かったが、時を経て笑い話にできるようになった」と語ったことで美談として落ち着いた稀有な例ですが、一般人のプライベートな写真が無断でネットのおもちゃにされる危うさを如実に物語っています。
海外では、男性が隣を歩く恋人を差し置いてすれ違った別の女性を振り返るストックフォト、通称「よそ見する男(Distracted Boyfriend)」が世界的なコラ素材となりました。これは有料素材サイトの公式写真がベースであり、登場人物たちの感情表現がわかりやすかったことから、様々な対立構造を風刺するテンプレートとして世界中で愛用されています。