英語のconfidence manを直訳すると「信用(confidence)を与える男(man)」となりますが、実際には「信用詐欺師」を指す名詞です。暴力や脅迫、物理的な窃盗ではなく、相手に「この人なら信じられる」と確信させ、自発的に金品や権利を差し出させる手口を専門とする犯罪者を呼びます。
この言葉が生まれたのは1849年の米国ニューヨークです。当時、街頭で紳士的な身なりをした男ウィリアム・トンプソンが通行人に声をかけ、「明日まで時計を預けてくれるほど、私を信頼(confidence)してくれますか?」と問いかけ、相手が信用して高級時計を手渡した瞬間に持ち逃げする事件が多発しました。地元紙『ニューヨーク・ヘラルド』が彼を「The Confidence Man」と報じたことが、世界中で使われるコンフィデンスゲーム(信用詐欺)の直接の由来となっています。
その後、19世紀末から20世紀初頭にかけて、大規模なセットや役者まがいの共犯者を動員して被害者を罠にはめる「ロング・コン(大掛かりな信用詐欺)」へと手口が進化しました。商品や資金を先に引き出し、信用させてから最終的に巨額を奪い去る「取り込み詐欺の手口」も、この心理的メカニズムを応用した典型例です。