膝を叩くと足が跳ねる理由とは?隠れた重病サインと神経の異変

膝を叩くと足が跳ねる理由とは?隠れた重病サインと神経の異変

膝を叩くと足が跳ねる理由とは?隠れた重病サインと神経の異変についての疑問解決ガイドをお届けします。

これほど明確なシグナルを持つ検査であるため、自宅で自分の膝を叩いて一喜一憂する人が後を絶たない。しかし、日本神経学会等の見解が反映された深部腱反射診察ガイドラインに照らし合わせると、自己診断は極めて誤診を招きやすい危険な行為だ。

深部腱反射を正確に誘発するには、患者側の完全な脱力と、打診器(打腱器)の正確な落下角度、そして適切な力加減が絶対条件となる。自分で叩こうとすると、無意識のうちに太ももの筋肉に力が入ってしまい、正常な人であっても反射が完全にブロックされてしまう。また、叩く位置が膝蓋腱の直上から数ミリずれるだけでも反応は出ない。

臨床現場では、緊張して反射が出にくい患者に対して「ヤンドラシック手技」という特殊な手法を用いる。両手の指を胸の前でフックのように強く引っ張り合わせてもらい、意識を膝から逸らした瞬間に腱を打診するのだ。これによって脳からの無意識な筋緊張を解除し、本来の反射弓のポテンシャルを浮かび上がらせる。プロの医師はこうした緻密な技術と環境制御を駆使して判定を下している。素人が適当な棒で叩いて「動かないから病気だ」と思い詰めるのは全くの筋違いである。

佐々木 一輝
著者

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。