温泉地で熊対策を考える際、本州・四国に生息するツキノワグマと、北海道に生息するヒグマとでは体格や行動特性に大きな違いがあります。
本州の山あいの温泉地で問題となるツキノワグマは、体長110〜150cmほどで木登りが得意です。極めて警戒心が強く、通常は人間の気配を避けますが、露天風呂のように見通しが悪く物音が温泉の流水音でかき消される環境では、至近距離での「突発的な遭遇(バッタリ遭遇)」が発生しやすくなります。驚いた熊が防衛本能から爪で顔面や頭部を攻撃してくる被害が多いため、警戒を怠ることはできません。
一方、北海道の秘湯や野湯に生息するヒグマは体長2m、体重200〜300kgを超える巨体です。力も格段に強く、人間を恐れない個体(新世代熊)も報告されています。知床や大雪山系、十勝周辺の自然豊かな野天風呂を訪れる際は、管理された宿泊施設以外での入浴には極めて厳重な警戒が求められます。