「作品のクオリティは、針を持つ前に8割が決まる」と熟練のニッターたちは口を揃える。どれほど正確に編み目を揃えても、用途に合わない糸を選べば、ヘアアクセサリーとしての実用性は損なわれてしまう。
プロが選ぶのは、摩擦に強く毛羽立ちにくい強撚のコットン糸やリネン混コードだ。特に国内の編み物文化を支え続けるハマナカ株式会社が展開する高品質な天然素材糸は、適度なコシと鮮やかな発色を兼ね備え、ヘアゴムに必要な耐久性と上品な光沢を両立させる。冬場であれば、上質なモヘアを細番手ウールに引き揃えることで、肌触りと高級感が飛躍的に向上する。
道具の進化も見逃せない。クローバー株式会社が人間工学に基づいて開発したグリップ付きのかぎ針は、指先への負担を劇的に軽減し、長時間の制作でも均一な編み目をキープさせる。針先の滑らかさが糸割れを防ぎ、初心者でも迷いなくスピード感を持って編み進めることを可能にした。