不時着水に成功したとはいえ、当時の水温は約2度、気温はマイナス6度という過酷な極寒環境でした。機体内部には瞬く間に冷水が流れ込み、乗客たちは主翼の上や膨張式救命いかだへと避難を余儀なくされました。
現場を目撃した通勤フェリー「トーマス・キーファー号」のビンセント・ロンバルディ船長をはじめとする民間の船乗りたちは、管制や救助隊の指示を待つことなく全速力で機体へ急行しました。着水からわずか3分45秒後に最初のフェリーが横付けされ、乗客たちを冷水から引き上げました。
サリー機長は、乗客全員が機外へ脱出したことを確認するため、水没しかけた通路を2度往復して確認し、最後に機体を離れました。現場にいた搭乗者の一人は、後のインタビューで「機長が主翼の上に出てきたとき、その落ち着き払った姿を見て、全員が本当に助かったのだと確信した」と証言しています。