時差を計算する際、頭の中で「日本より早いか遅いか」を感覚だけで先送りにしようとすると、ほぼ確実に泥沼にはまります。時差計算で混乱が生じる原因は、おもに「東経西経の足し引きの取り違え」と「日付の境界線の錯覚」の2点に集約されます。
まずは本初子午線と経度15度の関係性をクリアにしましょう。イギリスの旧グリニッジ天文台を通る「本初子午線(経度0度)」を基準に、地球は東西それぞれ180度ずつ、合計360度で分割されています。地球が1周(360度)自転するのに要する時間は24時間です。これを簡単な割り算に直すと「360度 ÷ 24時間 = 15度」となります。これがまさに、経度差を15で割る理由の正体です。地球上では「経度15度につき1時間の時差が生まれる」という絶対的な物理法則が存在します。
さらに抑えておくべき大前提が、「地球は西から東へ自転しているため、東にある地域ほど夜明けが早く、時間が進んでいる」という法則です。日本は東経135度(兵庫県明石市)を標準時子午線に設定しており、世界全体で見てもかなり早い時間に1日をスタートさせています。イギリスやアメリカよりも「日本のほうが時計の針が進んでいる」という位置関係を頭の中に固定しておくことが、ミスを防ぐ防壁となります。