『FF6』がRPG史において特異な金字塔とされる最大の理由は、物語中盤で訪れる「世界崩壊」という破滅のシナリオにあります。ケフカの手によって世界の均衡が崩れ去り、大地は引き裂かれ、仲間たちは散り散りになりました。主人公のひとりであるセリスが孤島で目を覚ます後半の幕開けは、従来の王道ファンタジーRPGでは類を見ない重苦しい孤独と無力感に包まれています。
頼れる仲間もおらず、師とも言えるシドの看病に追われ、一時は自暴自棄に陥るセリス。しかし、浜辺に流れ着いた一羽の鳥が巻いていたバンダナを目にした瞬間、彼女の中で消えかけていた希望の炎が再燃します。「ロックは生きている、仲間たちもきっと世界のどこかで戦っている」――その確信を胸にイカダで大海原へ漕ぎ出し、やがてエドガー、セッツァーとの再会を果たします。
そして訪れるのが、ダリルの墓の深奥に眠っていたもうひとつの飛空艇「ファルコン号」の浮上シーンです。セッツァーが親友ダリルとの過去を乗り越え、舵を握った瞬間、砂塵を突き破って漆黒の船体が夕暮れの大空へと舞い上がります。このFF6 セリス ファルコン 発進の刹那に流れ始めるのが、まさに『仲間を求めて』です。暗く淀んだフィールド曲から一転、どこまでも広がる空へと解き放たれるダイナミズムは、ゲーム史上に残る完璧なカタルシスを生み出しています。