日本のインターネット黎明期(2ちゃんねる時代)から現在に至るまで、ムスカ大佐は「ネットミームの帝王」として君臨してきました。地上波放送のたびに実況スレッドやX(旧Twitter)がサーバーダウン寸前まで加熱する「バルス祭り」において、ムスカの各セリフはタイムラインを埋め尽くす弾幕として機能しています。
展望スポットから見下ろす写真を投稿する際に「見ろ、人がゴミのようだ」とキャプションを添える構図は、現代のSNSユーザーにとって共通言語のひとつとなっています。この現象は海外のアニメコミュニティにも広がっており、英語版の吹き替え表現との比較議論も盛んに行われています。
公式の英語版吹き替え(Disney版など)では、このシーンは以下のように翻訳されています。
"Look at them! They're like ants!"(見ろ!まるでアリのようだ!)
あるいは直訳に近い形で、
"Look, the people are like garbage!"(見ろ、人々がゴミのようだ!)
英語圏では「人を昆虫(アリ)に例える」表現のほうが比喩として自然であるため前者が採用されるケースもありますが、宮崎アニメの持つ生々しい毒気や日本語のニュアンスを愛する海外ファンからは、より過激で直接的な「garbage(ゴミ)」の訳語が好まれる傾向にあります。文化圏が異なっても、権力に狂った人間の滑稽さと恐ろしさは共通の共感を呼んでいます。