かつての姫カットといえば、重たいパッツン前髪と、頬の横で水平に切られた太い毛束が定番だった。しかし、現在のサロン現場で主流となっているのは、一人ひとりの骨格に合わせてミリ単位で落ち位置を調整するグラデーションカットだ。
「昔のスタイルは丸顔を強調してしまうリスクがありましたが、いまは違います」と都内のサロンオーナーは語る。頬骨の一番高い位置をかすめるように斜めのラインを入れたり、内側に毛量を減らすシークレットレイヤーを仕込んだりする技術が確立された。顔周りに緻密な陰影を作り出すことから「シャドー姫」とも呼ばれるこの手法。エラ張りや面長といったコンプレックスを覆い隠すのではなく、むしろシャープな骨格美へと昇華させる彫刻的なアプローチが評価されている。