キメラアントの生態系において、王メルエムを守護するために生み出されたキメラアント王直属護衛軍(ネフェルピトー、シャウアプフ、モントゥトゥユピー)。その中でユピーが他の2体と決定的に異なる点は、人間の遺伝子を一切含まず、純粋な魔獣の混血のみで構成されている点にあります。
人間の複雑な感情やエゴに惑わされず、誕生した瞬間から「王の絶対的な盾」としての本能のみで動いていたユピーの基礎戦闘力は、作中でも完全に異次元の領域に達していました。
作中でナックル・バインが放った推計によると、百戦錬磨の武闘派ハンターであるモラウの潜在オーラ量が約7万オーラとされるのに対し、ユピーが宿す総オーラ量は最低でも70万オーラ以上。プロハンター10人分以上、ゴンやキルアのような特級の才能を持つルーキーと比較しても数十倍規模のエネルギーを平然と内包していました。
ユピーの念能力の真骨頂は、強化系をベースにした魔獣由来の肉体形態変化です。細胞レベルで自身の肉体を再構築し、以下のような形態を状況に応じて自在に使い分けました。
- 触手・複眼展開形態:死角を完全にゼロにするため無数の目玉を全身に走らせ、背中や肩から数十本の触手を鞭のように高速乱打する迎撃形態。
- 怒りの爆発(自爆攻撃):敵への憤怒によって沸騰したオーラを一気に膨張させ、周囲数百メートルをクレーターに変える超高火力の純粋エネルギー開放。
- ケンタウロス形態:暴走しがちだった「怒り」のエネルギーを手懐け、下半身を強靭な馬の形状へ、上半身を冷徹な異形の騎士へと再構築した戦闘の極致。変形させた右腕からは精密かつ破壊的な衝撃波を放つ。
初期のユピーは、ナックルやシュートの翻弄に対して苛立ちを募らせるだけの「荒削りな魔獣」に過ぎませんでした。しかし戦火のただ中で思考を深め、自らの激しい怒りを冷却してエネルギーに変換する術を学習。精神と肉体を完全一致させたケンタウロス形態へ到達した瞬間、彼は単なる怪物から完成された孤高の武人へと昇華を遂げたのです。