この特有の現象は、ギリシャ神話に登場する「真実を予言しながらも誰にも信じてもらえなかった王女カサンドラ」の悲劇にちなんで名付けられました。この概念を心理カウンセリングの現場で体系化し、世界的に広く知らしめたのが、イギリスの心理療法家マキシーン・アストン(Maxine Aston)氏です。
アストン氏は、アスペルガー症候群のパートナーを持つ人々が抱える独特のストレス反応を分析し、それが単なる一時的な悩みではなく、トラウマに近い深刻な心身症状を引き起こすことを明らかにしました。国際的な医学論文データベース『PubMed』に掲載される近年の研究でも、ASD当事者のパートナーにおけるカサンドラ的状態が、慢性疲労症候群や心因性PTSD様症状に類似するストレス反応を示すことが報告されています。