名門の中核を担う立場となった現在、愛之助が情熱を注いでいるのが弟子たちの育成だ。自身が一般 가정(家庭)から諸先輩方に手取り足取り育ててもらったという強い恩義と原体験があるからこそ、愛之助は門下生に対して極めて丁寧で温かい指導を行うことで知られている。
一門には若手歌舞伎俳優として舞台を支える片岡愛一郎をはじめ、真摯に芸を磨く弟子たちが所属している。愛之助は自身の本公演の合間を縫って基礎的な立ち回りや発声、化粧の技法を自ら実演して教えるだけでなく、若手俳優が小さな役でも光る演技ができるよう、それぞれの個性に合わせた助言を欠かさない。
弟子たちが自主公演や若手勉強会に挑む際には惜しみない支援を行い、役者としての自立を促す姿勢は、次世代の上方歌舞伎を守る確固たる未来投資といえる。師匠から弟子へと命脈を繋ぐこの熱い師弟関係があるからこそ、片岡愛之助の劇団・一門は活気に満ちている。