公式アーカイブサイト『KATSUYOレシピ』や、NHK『みんなのきょうの料理』のレビュー欄、SNS上の自炊コミュニティを調査すると、利用者の声には明確な共通項が存在します。 「母から教わった肉じゃがはいつも味がぼやけていたが、カツ代さんの本を読んで初めて家族から『おかわり』と言われた」「平日の仕事終わり、15分でまともな夕飯が作れるのはカツ代レシピのおかげ」といった、「再現性の高さ」と「圧倒的な安心感」を称賛する声が全体の8割以上を占めています。 「料理本は数あれど、カツ代さんの本だけは油ハネでページが波打つまで使い込んでいる。調味料の合わせ方が本当に合理的で、迷いが生じない」(40代・共働き会社員)
ケンタロウ氏へ受け継がれる「骨太な料理哲学」
小林カツ代さんの料理DNAを語る上で欠かせないのが、実の息子であり同じく絶大な支持を集めた料理家・ケンタロウ氏の存在です。 カツ代さんが提唱した「気取らず、手早く、抜群に旨い家庭料理」というスピリットは、ケンタロウ氏のダイナミックかつ繊細な男子ごはんスタイルへと色濃く継承されました。「調味料を計る暇があったら、肉の焼ける音を聞け」というような実践的リアリズムは、母と子の間で交わされた日常の食卓から自然と育まれたものです。親から子へ、そして全国の家庭へと受け継がれるその味の系譜は、日本の家庭料理史におけるひとつの到達点と言えます。