「ぴあのどりーむ第6巻」を修了した段階で、多くの子どもたちは基礎的な読譜力と、両手で異なるリズムや旋律を奏でる力を獲得しています。この修了時点で到達するレベルは、一般的なピアノ教育の基準で言えば「バイエル修了手前〜バイエル後半(約70〜80番台)」に相当します。
ここで多くの保護者が「いよいよブルグミュラーに入れるのか?」と期待を寄せますが、現場の指導判断は二分されます。6巻を終えてすぐに「ブルグミュラー25の練習曲」へ進むと、曲の長さや和音の跳躍、表現力の要求が一気に跳ね上がり、子どもが挫折する「ブルグミュラーの壁」に直面しやすいためです。
現在、指導現場で最も推奨されている移行ルートは次の3通りです。
ルート①:クラシック正統派の王道移行ルート
「ぴあのどりーむ6巻」修了後、ブルグミュラーに直行するのではなく、中継教材として「ル・クーペ ピアノの練習ABC」や「プレ・インベンション」を挟みます。これにより、多声部音楽(ポリフォニー)の聴き分けと、古典派の端正なタッチを補強してからブルグミュラーへスムーズに移行できます。
ルート②:テクニック補強型ルート
「ぴあのどりーむ」の弱点であった純粋な指の独立を鍛えるため、「バーナム ピアノテクニック2〜3巻」や「ツェルニー100番練習曲(初期)」をメインに据え、並行して「ギロック ベストセレクション」などの魅力的な発表会用レパートリーを弾かせる手法です。指の筋力を安定させたい男児や、メカニックに強い子どもに適しています。
ルート③:現代レパートリー重視ルート
クラシックの練習曲に縛られず、音楽の楽しさを維持したい場合は、「バスティン ピアノ名曲集」や「キャサリン・ロリン ビーニー・ボブ・ブック」など、近現代のアメリカンスタイルの小品集へ繋ぐルートです。コード感を養いながらポップスや映画音楽にも対応できる柔軟な耳が育ちます。