永作博美の名を決定づけたのは、濃密な感情表現を求められる映画作品での圧倒的な演技だ。映画『八日目の蝉』では、他人の赤ん坊を連れ去り我が子として育てる誘拐犯という難しい役どころを見事に演じ切った。
葛藤と深い慈愛が入り交じるその表情は、観客の心を強く揺さぶり、日本アカデミー賞をはじめとする数々の映画賞を総なめにした。さらに河瀬直美監督の映画『朝が来る』では、特別養子縁組で母となる女性の揺れ動く心理を過飾なく表現。国内外の映画業界から極めて高い評価を受けた。深く重厚なヒューマンドラマにおいて、彼女の存在は欠かせないものとなっている。