乾いた状態のお麩はスポンジ状の無数の気泡(多孔質構造)を持っています。この構造こそが、煮汁や調味料、出汁を奥深くまで瞬時に抱き込む最大の武器です。ただ水で戻してスープに浮かべるだけではその真価を発揮できませんが、出汁や特製ダレをしっかり吸わせてから油で揚げる、あるいは香ばしく焼き上げる工程を経ることで、外側はカリッと香ばしく、内側からはジュワッと肉汁のような旨味が溢れ出します。
文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」によると、焼き麩(釜焼き麩など)は100gあたり約28g前後の植物性たんぱく質を含み、脂質が極めて低い特徴を持ちます。高たんぱく・低脂質でありながら、調味液と油の相互作用によって「お肉以上のジューシーさ」を錯覚させるテクスチャーを生み出せる点が、料理研究家や節約のプロから絶賛される決定的な理由です。