フジテレビにおけるマツコのレギュラー消滅を語る上で、転換点となったのが2020年9月の『ホンマでっか!?TV』の降板と、2022年3月の『アウト×デラックス』レギュラー放送終了です。
『ホンマでっか!?TV』の降板時、番組内では最後の挨拶すらなく、エンドロール後に「マツコ・デラックスさんは今日の放送をもって卒業します」という短いテロップが流れたのみでした。この異例の演出が「明石家さんまとの不仲説」や「チーフプロデューサーとの確執」といった憶測に火をつけました。しかし、番組関係者や所属事務所の動きを精査すると、真相はより構造的な問題に起因しています。
第一に、「10年という区切りでの自発的な役目終了」です。マツコ自身、番組が安定軌道に乗りパネラー陣のキャラクターが確立した段階で、自身が担うべき役割は終わったと判断していました。第二に、過密スケジュールによる「体調面とメンタルヘルスの負荷軽減」です。週に多数本の帯・冠レギュラーを抱えていた当時のマツコは、生放送や拘束時間の長いスタジオ収録の整理を数年前から模索していました。
続く『アウト×デラックス』のレギュラー終了に関しては、フジテレビ全体の「コアターゲット(13〜49歳)重視の編成方針」と「深夜バラエティの制作費削減」が直撃した結果です。矢部浩之(ナインティナイン)とマツコというトップタレントを並べる番組制作費は、深夜枠としては破格のコストでした。フジテレビの営業利益構造の見直しが進む中で、レギュラーとしての継続が困難になったというのが制作現場のリアルな証言です。