1980年代後半から1990年代にかけて、日本のテレビ界ではお茶の間を虜にするある番組ジャンルが大ブームを巻き起こしていた。それが2時間ドラマである。その代表格とも言えるのが、日本テレビの看板枠として一時代を築いた『火曜サスペンス劇場』だ。船越英一郎はこの枠で放送された数々の作品で一躍ブレイクを果たし、視聴者の心に強い印象を残すことになる。
犯人を追いつめる熱血刑事や、事件の裏に隠された人間模様を丁寧に解き明かす探偵役。緊迫した展開の中で魅せる彼の感情豊かな演技は、瞬く間に視聴者を魅了した。特に作品のクライマックス、断崖絶壁で犯人に対峙し、説得を試みるシーンは彼の代名詞となった。一度見たら忘れられない情熱的なセリフ回しと引き込まれるような表情。日本テレビのサスペンス枠を皮切りに、各局の作品へ引っ張りだことなった彼は、いつしか「2時間ドラマの帝王」という称号を欲しいままにしていった。