「これだけの世界観を作り込みながら、なぜ無料なのか」——来園者の多くが抱くこの疑問の答えは、この場所が民間企業による営利目的のレジャー施設ではなく、飯能市が整備・管理する「都市公園(公営施設)」であるという点にあります。
歴史を遡ると、1997年(平成9年)の開園に至る発端は、飯能市が当時の建設省(現・国土交通省)の国庫補助事業を活用し、地域の豊かな丘陵地帯を生かした公園計画を立ち上げたことに始まります。その際、世界的な児童文学作家であるトーベ・ヤンソン氏に飯能市が手紙を送り、理念に深く共鳴したヤンソン氏との間で7年余りに及ぶ書簡の往復が続けられました。手記や当時の記録資料によると、ヤンソン氏は自らの名を冠することに対し、利益を追求する商業主義ではなく「子どもたちが自分で考え、自然のなかで失敗しながら自由に学ぶ場にしてほしい」という強い願いを託したとされています。
行政関係者の証言や市の予算資料を紐解いても、公園の維持管理費は飯能市の一般会計(市民税等の公費)や指定管理制度、敷地内の飲食店舗運営等によって健全に賄われています。さらに、隣接する阿須運動公園を含めて約250台以上の普通車用駐車場が無料開放されているのも、「誰もが経済的格差に関わらず自然と文化に親しめる公共福祉の拠点」という都市計画上の明確な位置付けがあるためです。