トルコはヨーロッパかアジアか?大陸を跨ぐ境界線の真相と現在地

トルコはヨーロッパかアジアか?大陸を跨ぐ境界線の真相と現在地

トルコはヨーロッパかアジアか?大陸を跨ぐ境界線の真相と現在地とは一体何なのか? 専門的な分析を丁寧に紐解いて紹介します。

結論から整理すると、地理的な定義においてトルコは「ヨーロッパとアジアの双方にまたがる大陸横断国家(ユーラシア国家)」です。二者択一でどちらか一方に限定することは、地理学的にも地政学的にも正確ではありません。

この境界線を決定づけているのが、黒海とマルマラ海を結ぶボスポラス海峡の境界線です。全長約30キロメートル、最も狭い場所では幅わずか約700メートルのこの海峡が、古くからヨーロッパ大陸とアジア大陸の境界と見なされてきました。海峡の西側が「東トラキア」と呼ばれるヨーロッパ地域、東側が「アナトリア半島(小アジア)」と呼ばれるアジア地域です。

なぜこの海峡が大陸の境目になったのか。その理由は古代ギリシャ時代にまで遡ります。当時の地理学者たちは、自らが船で航行可能な海域や海峡を基準に世界を区分しました。ダーダネルス海峡、マルマラ海、そしてボスポラス海峡を経て黒海に至る水路が、西方世界(エレブ=日没の地=ヨーロッパ)と東方世界(アス=日出ずる地=アジア)を物理的に隔てる明確な天然の要害だったからです。

現在でも国際標準の地理的区分まとめにおいて、トルコの国土総面積(約78万3,562平方キロメートル)のうち、ヨーロッパに属する東トラキアは約3%(約2万3,764平方キロメートル)に過ぎません。残る約97%はすべてアジア側のアナトリア半島に位置しています。純粋な面積比率だけを見れば圧倒的にアジアの国ですが、歴史の重みと経済の中枢は、わずか3%のヨーロッパ側に色濃く残されています。

佐藤 大輔
著者

佐藤 大輔

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。