最高裁判事にアメリカのような「終身制」は採用されておらず、裁判所法第50条により厳格な定年制度が敷かれています。
最高裁判事の定年は一律70歳です。一般の裁判官(下級裁判所判事)の定年が65歳、簡易裁判所判事が70歳であるのに対し、最高裁判事は70歳の誕生日の前日をもって退任します。任期そのものに年数制限はありませんが、実際の任命年齢は62歳〜65歳前後が中心となっています。
この結果、1人の判事が最高裁に在職する期間は平均して約5年〜8年程度という短期間にとどまります。この「高齢での就任と短期の在職」というサイクルに対しては、以下のような構造的功罪が指摘されています。
- メリット:法曹界で円熟味を増し、豊富な実務実績と社会的信望を備えた人物を配することができる。
- デメリット:判例変更など抜本的な司法改革を推進する前に任期満了を迎えてしまい、判例の継続性・保守性が強まりやすい。また、長期的視点に立った司法行政のリーダーシップが発揮されにくい。