1999年、二人の結婚は日本中を驚かせた。当時、TBSのトップアナウンサーとして絶大な人気を誇っていた弓子さんは、結婚を機にスパッとマイクを置いた。それは、イチローがオリックスからシアトル・マリナーズへと羽ばたく直前のタイミングである。言葉も文化も違う異国の地で、夫の夢を自分の夢として生きる決断。それは決して生半可なものではなかったはずだ。
渡米初期、彼女が最初に取り組んだのは「完璧な英語の習得」と「アスリートのための栄養学」だったという。通訳を介さず、自ら現地コミュニティに飛び込んでいく行動力。その主体性こそが、後にシアトルで「最も愛された日本人夫妻」と呼ばれる基盤を作ったのだ。