【衝撃の真相】『ムンクの叫び』は叫んでいない?耳を塞ぐ理由と4枚の違い

【衝撃の真相】『ムンクの叫び』は叫んでいない?耳を塞ぐ理由と4枚の違い

【衝撃の真相】『ムンクの叫び』は叫んでいない?耳を塞ぐ理由と4枚の違いについて分かりやすく解説いたします。専門家の見解をご覧ください。

なぜムンクは、自然の夕焼けから「無限の叫び」を聞くほどまでに精神を追い詰められていたのでしょうか。その背景には、幼少期から彼を支配し続けた「病と死と狂気」の影が存在します。

エドヴァルド・ムンク(1863〜1944)はノルウェー東部のロイテンで生まれ、首都クリスチャニア(現オスロ)で育ちました。医師の家庭でしたが、ムンクがわずか5歳のときに母を結核で亡くし、14歳のときには母親代わりとして慕っていた1歳年上の姉ソフィーも同じく結核で病死しました。さらに妹のローラは若くして重い精神疾患を患い、敬虔すぎる軍医の父は宗教的狂信へと傾斜し、家庭内には常に暗い死の気配が充満していました。

ムンク自身も気管支を患い病弱で、「自分もいつ結核で死ぬか分からない」という強迫観念と隣り合わせの青年期を過ごします。後年、彼は自らの生い立ちを振り返り、「病と狂気と死が、私の揺りかごを見守る黒い天使だった。それらは生涯、私について回った」と手記に綴っています。

19世紀末のヨーロッパ画壇が印象派による光の描写に沸くなか、ムンクは目に見える外面的な美しさではなく、人間の内面にある愛、嫉妬、孤独、不安、死といった感情をキャンバスに定着させる独自の表現主義へと突き進みました。『叫び』は、彼が構想した一連の人間ドラマ「フリーズ・オブ・ライフ(生命のフリーズ)」連作の中心的傑作として生み出されたのです。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。