什器からパッケージへ舞台が移っても、大手各社の「出汁への執念」は衰えるどころか、むしろ先鋭化している。セブン-イレブンは、地域ごとの味覚文化に徹底的に寄り添うローカライズ戦略をさらに深掘りした。関東では鰹節の力強い香りと濃口醤油のキレを前面に出す一方、関西では昆布のふくよかな旨味と薄口醤油で仕上げる。抽出温度を秒単位で管理した専用出汁は、パウチ内に閉じ込められることで、酸化を防ぎながら素材本来の風味を長期間保つことに成功した。
対するローソンは、魚介出汁と鶏ガラを掛け合わせた「重層的な旨味」で差別化を図る。一口飲んだ瞬間に広がるコクと、後味のすっきりとした抜け感のコントラストが際立つ。電子レンジで温めた際に最も香りが立つよう調合された特製ブレンドは、自宅で温め直しても専門店の味をそのまま再現する。
ファミリーマートは、昆布と焼津産鰹節をベースに、煮干しの微細なアクセントを加えたキレのある出汁が特徴的だ。具材への染み込みやすさを計算し尽くした配合比率により、大根を割った瞬間にじゅわっと溢れ出る出汁のジューシーさを実現している。また、店内調理のホットスナックに強みを持つミニストップでも、手軽に買える一人前カップおでんの展開を強化しており、各社それぞれの個性が鮮明に浮き彫りとなっている。