オーブンを用いたステーキ調理には、大きく分けて2つのアプローチが存在します。ステーキにおいてフライパンとオーブンはどっちが先かという疑問は、肉の厚みと目指す仕上がりによって明確な答えが存在します。
1つ目は、クラシックなレストラン技法である「フライパンで表面に香ばしい焼き色を付けた後、オーブンに移して中心まで火を入れる」手法です。短時間で香ばしさを形成できるため、厚さ2.5cm前後の一般的なステーキカットに適しています。
2つ目は、厚切りステーキ調理で世界的な主流となった「リバースシア(Reverse Sear)」です。これは従来の工程を逆転させ、「まず100〜120℃の超低温オーブンでじっくり内部の品温を上げ、仕上げの直前に高温フライパンで表面だけを短時間で焼き付ける」という手法です。
リバースシアの最大の利点は、オーブン内で肉の表面水分が適度に蒸発(ドライニング)するため、仕上げのフライパン焼きにおいてわずか数十秒で理想的なメイラード反応が起きることです。外側のごく薄いクリスピーな層と、内部の均一なロゼ色が美しいコントラストを生み出し、厚さ3cm以上の塊肉でもホテルクオリティの焼き上がりを実現できます。