一般消費者の間で今なお混同されやすいのが森永製菓と森永乳業の違いです。両社は同じ創業者・森永太一郎の事業から派生した兄弟会社ですが、現在は完全に独立した別上場企業として運営されています。
両社が分離した直接の契機は、太平洋戦争後の1949年(昭和24年)に適用された過度経済力集中排除法です。菓子・食品部門を担う「森永製菓」と、酪農・乳製品部門を担う「森永乳業」へと会社分割が行われました。商標である「森永」のエンゼルマークやロゴは共有しつつも、経営陣、財務、組織体制は完全に分かれています。
業界関係者の間で大きな話題を呼んだのが、2017年初頭に報じられた経営統合の協議でした。少子化による国内市場縮小に対応するため、売上高合計5000億円規模の総合食品グループ結成を目指したものの、同年3月に公式発表をもって協議は白紙撤回されました。当時の報道や関係者の証言によると、破談の背景には「菓子事業と乳業事業における主導権争い」や「企業風土・収益構造の違い」が存在したとされています。現在、両社は無理な統合を行わず、友好的な距離感を保ちながら各々の得意領域で独立した成長戦略を描いています。