キャラクターたちの切実な叫びも、本作の密度を決定づけている。主役の東鉄也(キャシャーン)を演じた伊勢谷友介は、人間を超越した身体能力を得てしまい、戦いの中で自己の存在意義に苦悩する悲劇の青年を圧倒的な存在感で演じきった。彼を優しく見守るヒロイン・上城ルナ役の麻生久美子が魅せる可憐さと強さは、荒廃した世界観における唯一の光として画面を支えている。
そして何より凄絶な印象を残すのが、新造人間のリーダー・ブライキング・ボスを演じた唐沢寿明の怪演だ。人間によって生み出されながら虐殺され、復讐の鬼と化した悲哀に満ちたヴィラン。単なる「悪」としてではなく、迫害された側の正義を叫ぶ彼の演説シーンは、観客の胸を深く抉る。実力派キャスト陣による鬼気迫る熱演は、今見返しても全く色あせていない。