ネット上の質問サイトやSNS上では、「ネオメドロールEE軟膏を赤ニキビに塗ったら治った」「余った軟膏をニキビ薬として使っている」といった危険な言説が散見されます。調査の結果、こうした情報をもとに自己判断で使用し、かえって肌トラブルを深刻化させて皮膚科へ駆け込む患者が後を絶ちません。
なぜ「ニキビに効く」という誤解が生まれたのでしょうか。理由は、ステロイドの強力な血管収縮作用と抗炎症作用によって、塗った直後だけ一時的にニキビの赤みが引き、治ったように錯覚してしまうためです。
しかし、ニキビの真の原因菌であるアクネ菌は細菌(嫌気性菌)であり、フラジオマイシン硫酸塩の抗菌スペクトルとは合致しません。さらに、ステロイドの作用によって局所の免疫力が低下するため、肌の自浄作用が奪われ、アクネ菌や毛包虫(顔ダニ)が爆発的に増殖します。結果として、数日後には以前よりも広範囲に化膿した難治性ニキビやステロイド皮膚炎を招くことになります。ニキビ治療への転用は絶対に避けてください。
また、「ネオメドロールEE軟膏は薬局やドラッグストアで市販されているか」という点について、同一成分を含有する市販薬(OTC医薬品)は存在しません。ドラッグストアには「フルコートf」や「テラ・コートリル」といったステロイドと抗生物質の配合軟膏が並んでいますが、これらはすべて皮膚用製剤であり、目の中に塗ることは厳禁とされています。「目薬代わりになる市販の軟膏」を探す行為自体が危険であり、目や耳のトラブル時は必ず専門医の診察を受ける必要があります。
なお、赤ちゃんや子供への処方については、乳幼児の湿疹や耳のただれに対して小児科や耳鼻科で安全に処方されています。小児の皮膚や粘膜は成人に比べて薄く薬剤の吸収率が高いため、塗布量は米粒大以下の極めて薄い層に留め、医師が指定した日数(通常は3〜5日程度)を超えて漫然と塗り続けないことが親の重大な責任となります。