政治的・法的な駆け引きの陰で、現場の苦悩は続いている。「宗教二世」と呼ばれる人々の生活支援と心理的ケアの現場だ。かつては個人の家庭問題として片付けられてきた親の信仰による過度な献金、虐待、学業の放棄といった問題が、行政の支援対象として法的に認知されたのは大きな前進だった。
しかし、支援の現場からは「予算と専門相談員の不足」を指摘する声が絶えない。全国の支援ネットワークには、今も「家を出たいが経済的基盤がない」「家族との絶縁による孤立に耐えられない」といった切実なSOSが寄せられている。法改正や解散命令という大きなニュースの陰で、二世たちの救済はまだ始まったばかりなのだ。