ソーシャルメディアや掲示板、知恵袋などのコミュニティでは、日々「何がロックで何がロックではないのか」という論争が繰り広げられています。ロックの定義 ネットの反応を定点観測すると、世代間やリスナーのバックボーンによって大きなギャップが存在することが分かります。
ネット上で特に激しい議論を呼ぶのは、以下の3つの論点です。
- 「生楽器を使っていなければロックではないのか?」
往年のロックファンからは「ドラムとベースの生演奏、アンプを通したエレキギターがなければロックとは呼べない」という意見が根強く存在します。一方で、若い世代を中心に「ボカロPが制作した攻撃的な打ち込み楽曲や、ヒップホップのトラップビートに乗せた社会風刺も完全にロックだ」という主張が支持を集めています。 - 「アイドルが歌うロック調の曲はロックか?」
バックバンドが超絶技巧の生演奏をしていても、「本人が作詞作曲に関わっておらず、事務所の敷いたレールの上で歌っているならロックではない」という否定派と、「ステージで全身全霊のシャウトを見せ、観客を熱狂させているなら生き様としてロックだ」という肯定派で二分されています。 - 「商業的に成功して大衆に媚びたらロックは死ぬのか?」
かつてアングラで過激な表現をしていたバンドが、メジャーレーベルでタイアップを獲得し、万人受けする楽曲をリリースした際に生じる「売れたらセルアウト(魂の売り渡し)か」という古典的な対立軸です。
一般に知られていない盲点として、「激しい音=ロック」という短絡的な誤解が挙げられます。アコースティックギター1本で静かに歌われるボブ・ディランのプロテストソングが紛れもないロックであるように、音の大きさや歪みの深さだけでロックの本質を測ることはできません。