垂れ壁とは?下がり壁との違いや役割・キッチン撤去の費用と後悔防止策

垂れ壁とは?下がり壁との違いや役割・キッチン撤去の費用と後悔防止策

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現地調査の現場で施主から「この壁を切り取ってほしい」と頼まれ、工務店の担当者が即座に首を横に振るケースがあります。そこには、物理的・法的に立ち入れない構造壁撤去できない理由が存在します。

木造在来工法における筋交いが入った耐力壁や、ツーバイフォー(2×4)工法の耐力面材で構成された壁の上部にある下がり壁は、建物の水平荷重(地震や台風の揺れ)を受け止める耐震構造の一部として計算されています。これに無断でチェーンソーやノコギリを入れれば、構造計算の前提が根底から崩れ、住宅全体の耐震基準が著しく損なわれます。

さらに複雑なのがマンション垂れ壁リフォームです。分譲マンションにおいて、住戸内の天井から下がっている出っ張りが「単なる木下地の造作壁」なのか、それとも「RC(鉄筋コンクリート)構造の梁」なのかによって話は180度変わります。コンクリートで打設された大梁・小梁は建物を支える「共用部分」に該当するため、区分所有者が勝手に削る(ハツる)ことは区分所有法およびマンション標準管理規約により固く禁じられています。

また、梁そのものではなくても、垂れ壁の内部に「上階から降りてきている共用排水縦管」や「外壁の給排気ガラリへ向かう太いスパイラルダクト」が貫通している事例も頻繁に見られます。これらは移動させることが物理的に不可能な場合が多く、壁を壊した瞬間に巨大な金属パイプが宙に浮いた状態で剥き出しになり、かえって美観を損ねるという悪夢のような事態に直面することになります。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。