若き日の痛恨の破局を経て、野口健さんは2003年、30歳の時に仙台市出身の一般女性である加藤恵(かとう めぐみ)さんと再婚しました。
二人の馴れ初めは、野口さんが主宰する環境学校や講演活動の支援スタッフを通じて知り合ったことでした。恵さんは野口さんの破天荒な性格や、常に命の危険と隣り合わせのアルピニストとしての活動を深く理解し、精神的なアンカー(錨)として家庭を支える存在となっていきます。野口さんはメディアでも「妻は私の登山活動に一切口を出さず、しかし帰る場所を常に守ってくれている」と絶大な信頼を語っています。
そして2004年2月、長女の野口絵子(えこ)さんが誕生しました。絵子さんは幼少期から父・健さんと共に山に親しみ、近年では自身も卓越したクライマーとして頭角を現しています。
バラエティ番組『世界の果てまでイッテQ!』の登山企画への出演や、父娘でのヒマラヤ・キリマンジャロ遠征など、メディアでも親しみやすいキャラクターと強い意志を見せる絵子さん。父娘のオープンで対等な関係性は、かつて家庭を顧みることができずに挫折を味わった野口さんが、長い年月をかけて学び直した「家族への向き合い方」の結晶であると言えます。