面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)とは、毛穴に詰まった皮脂、角質、アクネ菌などの老廃物(コメド・面皰)を、専用の器具を用いて物理的に体外へ排出させる医療処置です。一般には「ニキビの芯出し」や「コメド圧出」とも呼ばれます。
皮膚科学において、ニキビ(尋常性痤瘡)は毛穴の出口が異常角化によって塞がり、皮脂が内部に貯留する「白ニキビ(閉鎖面皰)」から始まります。これが空気に触れて酸化すると「黒ニキビ(開放面皰)」となり、さらに増殖したアクネ菌が炎症を引き起こすと「赤ニキビ(炎症性丘疹)」や「黄ニキビ(膿疱)」へと悪化します。
面皰圧出が極めて重視される理由は、炎症が本格化する前段階で物理的に内容物を除去し、毛穴内部の嫌気性環境(酸素を嫌うアクネ菌の増殖温床)を瞬時にリセットできる点にあります。炎症が真皮層まで波及してしまうと、コラーゲン線維が破壊されて一生残る凹凸(クレーター状瘢痕)へと進行しかねません。つまり、医療機関での迅速な面皰圧出は、将来的なニキビ跡の形成を未然に防ぐための予防的防衛策として機能します。